コーヒーにまつわるエッセイおすすめ3選!

エッセイ

この記事では、コーヒーにまつわるエッセイを紹介いたします。コーヒーを読みながら読書をするという人は多いと思いますが、まさに読んでいるとコーヒーが飲みたくなってくる3冊です。ほっとひと息入れながら、豊かな気分を味わうのにぴったりなエッセイをぜひお楽しみください。

『作家と珈琲』平凡社編集部編

食卓で、喫茶店で、旅先で……珈琲の香りただよう52編。昭和の文豪や現代の人気作家によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。
(平凡社HPより引用)

作家と珈琲』は、平凡社編集部編によるアンソロジーです。全52編収録で、小説家のみならず、詩人や評論家、写真家、ミュージシャンなど幅広い書き手の文章が収められています。エッセイがほとんどではありますが、一部詩や短歌なども入っており、一冊の流れのなかでアクセントを加えています。

書き手の年代もさまざまですが、現代作家の文章よりも、明治から戦前頃までに生まれた古い作家たちの文章のほうが個人的には印象に残りました。格調高く、それこそコーヒーの香りが漂ってくるようなエッセイは、昔の書き手のものに多かったように思います。日本でコーヒーがまだ珍しかった時代の空気を味わえるのも魅力です。

『こぽこぽ、珈琲』湊かなえ、星野博美ほか

エスプレッソからドリップ・コーヒー、サイフォン式、クリームを浮かべたウィーン風、インスタントだって立派な一杯。イタリアのカフェのカウンターで、自宅で、友人宅で、昔ながらの喫茶店でーほっと一息、リフレッシュ。読めば贅沢で特別な時間が流れる、珠玉の珈琲エッセイ31篇。
(「BOOK」データベースより引用)

こぽこぽ、珈琲』は、河出書房新社の人気アンソロジーシリーズおいしい文藝」シリーズの1冊です。こちらもさまざまな文化人によるエッセイが収められていますが、『作家と珈琲』と比較すると現代作家の比率がやや高めです(とはいえ、すでに鬼籍に入っている人も多いですが)。

コーヒー通を名乗るのはハードルが高いのか、コーヒーは好きだが通ではないと断りを入れている人が多く、著名な文化人たちの庶民的な一面や肩肘を張らない姿勢が伺えるエッセイが豊富に読めます。個人的には村上春樹の「ラム入りコーヒー」の話と、團伊玖磨の「ちがいがわかる男」の話が好きです。

『珈琲が呼ぶ』片岡義男

著者の小説には珈琲がしばしば登場する。「読むと必ず珈琲が飲みたくなる」という読者も多い。だが、なぜか片岡義男の珈琲エッセイ本は存在せず、待望されていた。その声に応えたのが本書。ありきたりな珈琲の薀蓄を徹底的に避け、ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、黒澤明、喫茶店の椅子、美空ひばり、つげ義春、渥美清、パルプ・フィクションなどが珈琲を軸に、縦横無尽に交錯する。
(「BOOK」データベースより引用)

珈琲が呼ぶ』は、片岡義男によるエッセイ集です。エッセイスト、小説家、評論家、翻訳家、写真家など多数の肩書きを持つ著者が、コーヒーをテーマに書き下ろした全45編が収録されています。

片岡義男は前述の『こぽこぽ、珈琲』にも収められているエッセイで、「少なくとも40年間、1日3杯のコーヒーを継続して飲んできた」と語っており、本書ではそれを裏づけるようにコーヒーにまつわる蘊蓄や考察がいろいろな角度から披露されています。音楽や映画などさまざまなカルチャーへの造詣も深く、コーヒーをきっかけにしながら、ほとんど音楽エッセイや映画エッセイになっている文章も多めです。

サブカルチャーの話も非常に興味深いですが、マグカップについて語る「Titanium Double Wall 220mg」や、とある喫茶店の椅子について語る「喫茶店のコーヒーについて語るとき、大事なのは椅子だ」など、比較的素朴な回がおもしろかったです。本書は好評を博したようで、続編に位置づけられる『僕は珈琲』というエッセイ集も刊行されています。

読書のお供におすすめ!〈本とコーヒー〉にまつわるアイテム

ここからはおまけで、本や小説にまつわるコーヒー関連のアイテムを紹介します。

スタッキングマグカップ アガサ・クリスティー 「オリエント急行の殺人」

こちらは早川書房が運営するグッズ・レーベル「HAYAKAWA FACTORY」から販売されている、アガサ・クリスティーの名作『オリエント急行の殺人』をモチーフにしたスタッキングマグカップです。鮮烈な赤をベースに、原題のタイトルとポアロのひげがプリントされています。

「HAYAKAWA FACTORY」からはほかに、同じくクリスティーの『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』『ナイルに死す』、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズ、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ジョージ・オーウェルの『動物農場』、チャック・パラニューク『ファイト・クラブ』をそれぞれモチーフにしたマグカップが販売されています。

澤井珈琲「珈琲物語・華」

こちらは澤井珈琲から販売されているドリップコーヒー「珈琲物語・華」。パッケージが本の形になっているところが読書好きの心をくすぐる商品です。ギフトにもぴったりなので、読書が趣味の友人・知人への贈り物としてもおすすめです。

アーティミス ブックカバー コーヒーブレイク

こちらは雑貨や文房具の販売メーカー、アーティミスから出ているフリーサイズのブックカバー。いろいろな柄がありますが、そのなかのひとつが「コーヒーブレイク」で、マグカップやコーヒーミル、コーヒー豆などのイラストが描かれたものになっています。

まとめ

以上、コーヒーにまつわるエッセイ3作の紹介でした。気になった方はぜひ手にとってみていただければと思います。読みはじめるときっとコーヒーを飲みたくなると思いますので、本を開くまえにコーヒーの淹れることをおすすめいたします。

なお、近いテーマとして、喫茶店やカフェにまつわるエッセイについての記事もありますので、よろしければ以下のリンクからお読みください。