新潮社が毎年夏におこなっている恒例のフェア、「新潮文庫の100冊」。夏が来るたびに100冊や限定プレミアムカバーの情報を楽しみにしている小説ファンも多いのではないでしょうか。
「新潮文庫の100冊」の歴史は長く、初めて開催されたのは1976年のことです。この記事では、その1976年の「新潮文庫の100冊」に選出された作品を一挙に紹介いたします。
作品は日本文学と海外文学に分け、日本文学はさらに小説と小説以外(エッセイ、評論など)に分けて表にしました。作品名のリンクからAmazonの商品ページに飛ぶことができます。
順番は概ね古い作品から並べてありますが、発売月までは考慮しておらず、また、雑誌や新聞などに発表された年なのか、単行本として刊行された年なのか、短編集の場合はどの収録作品の発表年を基準とするのかなど曖昧な部分がありますので、その点はご了承ください。
なお、出典は新潮社公式X(旧Twitter)アカウントが2020年に投稿した当時の新聞広告です。
「#新潮文庫の100冊」
— 新潮社 (@SHINCHOSHA_PR) July 4, 2020
新聞広告です
みなさんが読んだことのある
作品は何冊ありますか?
拡大してご覧ください🔍
#新潮社 #新潮文庫 pic.twitter.com/UCmZTjsgpS
日本文学(小説) 68作
| タイトル | 著者 | 種類 |
|---|---|---|
| 『浮雲』 | 二葉亭四迷 | 長編 |
| 『にごりえ・たけくらべ』 | 樋口一葉 | 短編集 |
| 『野菊の墓』 | 伊藤左千夫 | 短編集 |
| 『破戒』 | 島崎藤村 | 長編 |
| 『田舎教師』 | 田山花袋 | 長編 |
| 『こころ』 | 夏目漱石 | 長編 |
| 『山椒大夫・高瀬舟』 | 森鴎外 | 短編集 |
| 『羅生門・鼻』 | 芥川龍之介 | 短編集 |
| 『出家とその弟子』 | 倉田百三 | 長編 |
| 『小さき者へ・生まれいづる悩み』 | 有島武郎 | 中短編集 |
| 『友情』 | 武者小路実篤 | 中編 |
| 『痴人の愛』 | 谷崎潤一郎 | 長編 |
| 『蟹工船・党生活者』 | 小林多喜二 | 中編集 |
| 『放浪記』 | 林芙美子 | 長編 |
| 『銀河鉄道の夜』 | 宮沢賢治 | 短編集 |
| 『暗夜行路』 | 志賀直哉 | 長編 |
| 『雪国』 | 川端康成 | 長編 |
| 『青春』 | 伊藤整 | 長編 |
| 『風立ちぬ・美しい村』 | 堀辰雄 | 中編集 |
| 『路傍の石』 | 山本有三 | 長編 |
| 『李陵・山月記』 | 中島敦 | 短編集 |
| 『青い山脈』 | 石坂洋二郎 | 長編 |
| 『人間失格』 | 太宰治 | 中編 |
| 『ビルマの竪琴』 | 竹山道雄 | 長編 |
| 『リツ子・その愛』 | 檀一雄 | 長編 |
| 『野火』 | 大岡昇平 | 長編 |
| 『二十四の瞳』 | 壺井栄 | 長編 |
| 『草の花』 | 福永武彦 | 長編 |
| 『あすなろ物語』 | 井上靖 | 長編 |
| 『潮騒』 | 三島由紀夫 | 長編 |
| 『雲の墓標』 | 阿川弘之 | 長編 |
| 『日本むかしばなし集』 | 坪田譲治 | 短編集 |
| 『海と毒薬』 | 遠藤周作 | 中編 |
| 『楢山節考』 | 深沢七郎 | 短編集 |
| 『点と線』 | 松本清張 | 長編 |
| 『パニック・裸の王様』 | 開高健 | 短編集 |
| 『われらの時代』 | 大江健三郎 | 長編 |
| 『わが恋の墓標』 | 曾野綾子 | 短編集 |
| 『病める丘』 | 原田康子 | 長編 |
| 『忍ぶ川』 | 三浦哲郎 | 短編集 |
| 『美しき嘘』 | 丹羽文雄 | 長編 |
| 『暗い旅』 | 倉橋由美子 | 長編 |
| 『雁の寺・越前竹人形』 | 水上勉 | 中編集 |
| 『男と女の世の中』 | 源氏鶏太 | 長編 |
| 『人間の運命』 | 芹沢光治良 | 長編 |
| 『さぶ』 | 山本周五郎 | 長編 |
| 『女徳』 | 瀬戸内寂聴 | 長編 |
| 『砂の上の植物群』 | 吉行淳之介 | 長編 |
| 『楡家の人びと』 | 北杜夫 | 長編 |
| 『他人の顔』 | 安部公房 | 長編 |
| 『燃えよ剣』 | 司馬遼太郎 | 長編 |
| 『結婚します』 | 山口瞳 | 長編 |
| 『黒い雨』 | 井伏鱒二 | 長編 |
| 『夏の砦』 | 辻邦生 | 長編 |
| 『贈る言葉』 | 柴田翔 | 中編集 |
| 『戦艦武蔵』 | 吉村昭 | 長編 |
| 『華岡青洲の妻』 | 有吉佐和子 | 長編 |
| 『我が心は石にあらず』 | 高橋和巳 | 長編 |
| 『青春の蹉跌』 | 石川達三 | 長編 |
| 『アメリカひじき・火垂るの墓』 | 野坂昭如 | 短編集 |
| 『塩狩峠』 | 三浦綾子 | 長編 |
| 『孤高の人』 | 新田次郎 | 長編 |
| 『冬の旅』 | 立原正秋 | 長編 |
| 『ブンとフン』 | 井上ひさし | 長編 |
| 『ボッコちゃん』 | 星新一 | 短編集 |
| 『地球になった男』 | 小松左京 | 短編集 |
| 『家族八景』 | 筒井康隆 | 連作短編集 |
| 『雄気堂々』 | 城山三郎 | 長編 |
日本文学(小説以外) 8作
| タイトル | 著者 | 種類 |
|---|---|---|
| 『一握の砂・悲しき玩具』 | 石川啄木 | 歌集 |
| 『智恵子抄』 | 高村光太郎 | 詩集 |
| 『人生論ノート』 | 三木清 | エッセイ |
| 『大和古寺風物詩』 | 亀井勝一郎 | エッセイ |
| 『モオツァルト・無常という事』 | 小林秀雄 | 評論 |
| 『人とつき合う法』 | 河盛好蔵 | エッセイ |
| 『日本語の年輪』 | 大野晋 | 評論 |
| 『風に吹かれて』 | 五木寛之 | エッセイ |
海外文学 24作
| タイトル | 著者 | 種類 |
|---|---|---|
| 『ハムレット』 | ウィリアム・シェイクスピア | 戯曲 |
| 『若きウェルテルの悩み』 | J・W・V・ゲーテ | 長編 |
| 『はつ恋』 | イワン・ツルゲーネフ | 中編 |
| 『罪と罰』 | フョードル・ドストエフスキー | 長編 |
| 『戦争と平和』 | レフ・トルストイ | 長編 |
| 『女の一生』 | ギ・ド・モーパッサン | 長編 |
| 『シャーロック・ホームズの冒険』 | アーサー・コナン・ドイル | 連作短編集 |
| 『桜の園・三人姉妹』 | アントン・チェーホフ | 戯曲集 |
| 『O・ヘンリ短編集』 | オー・ヘンリー | 短編集 |
| 『トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す』 | トーマス・マン | 中編集 |
| 『車輪の下』 | ヘルマン・ヘッセ | 長編 |
| 『赤毛のアン』 | L・M・モンゴメリ | 長編 |
| 『狭き門』 | アンドレ・ジッド | 長編 |
| 『813』 | モーリス・ルブラン | 長編 |
| 『変身』 | フランツ・カフカ | 中編 |
| 『チャタレイ夫人の恋人』 | D・H・ロレンス | 長編 |
| 『赤と黒』 | スタンダール | 長編 |
| 『夜間飛行』 | サン=テグジュペリ | 中編集 |
| 『怒りの葡萄』 | ジョン・スタインベック | 長編 |
| 『異邦人』 | アルベール・カミュ | 中編 |
| 『老人と海』 | アーネスト・ヘミングウェイ | 中編 |
| 『悲しみよ こんにちは』 | フランソワーズ・サガン | 中編 |
| 『沈黙の春』 | レイチェル・カーソン | ノンフィクション |
| 『収容所群島』 | A・ソルジェニーツィン | ノンフィクション |
まとめ
以上、1976年の「新潮文庫の100冊」に選出された本の一覧でした。一部絶版になってしまい、現在では忘れられているような作品もありますが、多くは今でも読み継がれている名作です。一覧から気になるタイトルのものがあれば、手にとってみていただければと思います。
なお、「新潮文庫の100冊」の歴代すべての年に選出された作品について、下記の記事で紹介しています。もしよろしければあわせてチェックしてみてください。


