『メイドインアビス』のナナチ役や『チェンソーマン』のポチタ役などで知られる人気声優・井澤詩織。彼女は大の怪談好きとしても有名で、2025年7月に刊行された『井澤詩織の誰かに話したくなる怖い話』では編著者を務め、怪談作家としてデビューを果たしているほどです。
同書は竹書房という出版社から発売されていますが、その竹書房が近年主催している夏の怪談文庫フェアにおいて公式アンバサダーを務めているのが他ならぬ井澤詩織です。フェアでは、井澤詩織がおすすめする竹書房怪談文庫の作品が毎年10冊ずつピックアップされています。2022年から2025年まで4年連続で公式アンバサダーを務めているので、現在までに計40冊の怪談を紹介していることになります。
そこでこの記事では、井澤詩織がこれまでおすすめしてきた竹書房怪談文庫の作品40冊を各年度ごとに分けてすべて紹介いたします。おもしろい怪談をお探しの方の参考になれば幸いです。なお、作品内容の引用元は特記のないものを除いてすべて竹書房の公式HPです。
【2022年】「人気声優・井澤詩織がガチで推す怪談」
①『「超」怖い話 丑』加藤一編著
首を絞められた時の痣が残る夫。夜中、夫の口から若い女の声が…「いじり」、実家の納屋から出てきた身蓋箱。中に入っていた4体の着せ替え人形にはなぜか右腕がなく…「欠けた記憶」、廃墟温泉街で見かけた吊り橋の向こうに立つ着物美人。橋を渡る途中で気づいた違和感とは…「ギリギリ死なない」、猛烈に湧き上がってくる食べ物への妄執。いざ口にすると奇妙なことが…「葛饅頭から始まる怪談」、始まりは水道水からの腐臭。家族の連続死。怪異の原因はある写真に…「封印」他、著者4人がそれぞれの嗅覚で引き寄せた戦慄の実話!
②『つくね乱蔵実話怪談傑作選 厭ノ蔵』つくね乱蔵
<絶望系怪談作家>の異名をとる厭系怪談の妙手、つくね乱蔵初のベスト版。新聞から特定の文字が浮き上がり未来が示唆される…「オリンピックの年に」、蔵に封印されていた般若の面。一族の人間を殺してきた呪いの面だというのだが…「紙般若」、死んだ義母の指から盗んだサファイアの指輪。嵌めた途端に指が折れ…「指折り数えて」、故郷の洞窟にある呪いの泉。木で作った人形に呪いたい相手の名を書いて浮かべるのだが…「沈む人形」他、「紙般若」の後日談を含む書き下ろし3篇も収録。
③『怪談実話傑作選 弔』黒木あるじ
実話怪談単著デビューから六年、1000話以上の怪談を送り出してきた黒木あるじの初のベスト傑作選がいよいよ登場! 厳選された最恐の59編と書き下ろし6編を収録。どこまでも冥く底が見えない怪異を描く怒涛の黒木ワールドを、これでもかと堪能できる珠玉の一冊。解説は平山夢明。
④『実話怪談 吐気草』神沼三平太
怪異の関係者が「死ぬ」か「消える」。もしくは人として「終わる」。そんな最凶の障り話のみを集めた実話怪談集。自殺した彼女の遺品にあった絵葉書。「○○が迎えにきたから行きます」と書かれたそれは半年前に自死した己の母の筆跡で…「パーカー」、もみの木に赤子を捧げよ…夢のお告げで家業繁栄のため根元に人柱を埋めたという庭の大木。粗末に扱うと…「もみの木」、バイク仲間数人に贈った愛車そっくりの手製プラモデル。だが、貰った者が事故死する連鎖が…「続いている」、古屋を購入した同僚を襲う異変。家を訪うと、部屋の四方の壁にお辞儀をしろと言われ…「禍跡」…他、闇の全26話。
⑤『実話怪談 凄惨蒐』神沼三平太
山賊の末裔だという元・絵のバイヤーが語る自身の業と、持っているだけで死ぬ絵の話…「虫のしらせ」、子供の白骨遺体が出た廃墟に棲みつく老婆の噂。探検に行った子供らが見たものは…「化け婆の家」、蔵から出てきた大小2つの木箱。中には300年に亘る一家繁栄の秘密が…「約束」、夜9時になると花瓶が割れる事故物件。水のペットボトルを置くと中に恐ろしいものが見えて…「瓶」、インド人の霊が出ると聞きつけた廃墟に夜行ってみると、テーブルの上に熱々のナンが。だが昼間訪れるととんでもない事実が…「チーズナン」、手首に2本の数珠をつけた男。彼の周りでは数珠が切れるたびに人が死んでいく…「数珠の主」ほか、阿鼻叫喚の奇怪な13話を収録。
⑥『黒怪談傑作選 闇の舌』黒史郎
肝試しに行った霊園にあった穴。降りていった友人がいつの間にか血だらけで後ろに立っていた…「地獄」、固定電話が混線して妙な声が入る「あぶない入道」、台風の夜、寝ている床から変な音がして、両親の寝室はもぬけの殻…地底人だと顔を強張らせる弟だが…「地底人、コワイ」など。黒史郎の綴る実話怪談の中から、選りすぐりの怪談と書き下ろしを含めた45編! 極黒の一冊がここに!!
⑦『算命学怪談 占い師の怖い話』幽木武彦
古代中国で生まれ、王家秘伝の軍略として伝承されてきた占術、算命学。恐ろしいほどの的中率をもつその占いは、生年月日から導く命式で霊感の有無、時に寿命までわかるという。本書は算命学の占い師が鑑定の中で遭遇した戦慄の実話を纏めたものである。妹に恋人を奪われ自殺した姉と同じ名前の人物が不幸を齎す。命式を見ると…「静子」、全柱異常干支という特異な命式を持つ少女が見る霊の正体とは…「茜ちゃん」、自分は長く生きられないと思う──算命学の奥義である寿命計算を依頼してきた若き女性。彼女の義父と義兄の連続首吊り死と赤い花の関係とは…「彼岸花」──他、驚異の27話!
⑧『呪術怪談』久田樹生ほか
この世でもっとも恐ろしい怪談、「呪い」に纏わる怖い話を集めた実話集。六人の仙人を描いた掛け軸。だが、それは跡取り候補を六人あの世に連れて行く呪術絵…「六仙図」、白い裏面に白インクで印刷してくれと依頼された謎の図案。それには恐ろしい仕掛けが…「ステッカー」、亡き娘の日記に残されたいじめの事実と復讐のための呪法。母の決断は…「引き継ぐ」、山中で偶然縊死体を発見した男。警察から見せられたのは<私を見つけた者を呪います〉と書かれた遺書…「呪います」、ある児童の机の中に入っていた手紙。その子を褒めちぎる内容だが、翌日から異変が…「悪筆と達筆」他、ズシンと36話収録!
⑨『恐怖実話 怪の残像』吉田悠軌
怪異が起こる場所にはいったい何があるのか? いわくのある現場に訪れ、怪談を蒐集する業者が綴る恐怖の一冊。工事のために訪れた家で、作業を進めるたびに起こる怪異、衝撃の結末「空き家」、信号で止まるたびに景色が真っ赤に染まって見える交差点、その訳は…「視野」、職場で一緒になった男から聞いた奇妙な話「カミサマを捨てる」など35編を収録。忌み深き場所で怪の残像をなぞることで──あらたな怪異が発現するかもしれない。
⑩『瞬殺怪談 死地』平山夢明ほか
すぐ読めて、怖い! 1話2ページ以内の短編実話怪談を凝縮して詰め込んだ大人気シリーズ<瞬殺怪談>第7弾!ホラーの鬼才・平山夢明を筆頭に、我妻俊樹、黒木あるじ、黒史郎、神薫、田辺青蛙、つくね乱蔵ら名だたる書き手に加え、怪談DJの響洋平、せんだい文学塾会長の鷲羽大介、そして<怪談最恐戦2020>で怪談最恐位に輝いた夜馬裕が初参加。総勢10名が154話の恐怖をすべて書き下ろす! ノータイムで訪れる、ぶっ通しの戦慄の果てに広がる荒涼とした死地を体感せよ!
【2023年】「人気声優・井澤詩織が全力で推す怪談」
①『呪物怪談』黒木あるじほか
「呪い」「呪物」に纏わる実体験、体験者への聞き書きを集めた実話怪談集。
南東北の村で我流の呪願を続けた女の末路…「かしりのはて」黒木あるじ
山間の村を訪れる呪い屋が授けた禁断の呪具…「簪」嗣人
不審死を遂げた伯父宅の床下から出てきた甕…「醤油の家」蛙坂須美
除霊の儀式中に出てきたモノが発した呪いの予言…「鬼行」八木商店
樹海で拾ったロープに宿る呪力…「例の箱」住倉カオス
按摩師兼拝み屋の男に送られてきた呪いの風…「言呪」営業のK
異様な太り方をするようになった原因は謎のしゃぶしゃぶ店の肉…「豚王の呪い」神沼三平太
乗る者すべてを不幸にする風俗店の曰く付き送迎車…「理不尽な呪い」夜行列車
母の遺品から出てきた呪い日記に綴られた呪法…「知らぬ間に」しのはら史絵
人死があった祟りの井戸水を飲む男…「呪恋」つくね乱蔵
他、全23話収録。業の深い話ばかりを封印した本書こそ、すでに一つの「呪物」なのかもしれない。
②『瞬殺怪談 鬼幽』平山夢明ほか
眠れぬ暑い夜、移動の時や待ち時間──そんな日常の隙間にすぐ読める短い実話怪談を集めた人気シリーズ第9弾。ルポ怪談の名手・吉田悠軌と新鋭・蛙坂須美が初参加。
・いつも身近にいる人が怪我をするのはなぜ「いらない才能」(小田イ輔)
・肝試し先で起きたのは…「罠」(黒史郎)
・取り壊しになる小学校に大人になった同窓生が集まるが…「時効なし」(神薫)
・シロアリ駆除の業者が床下を調べたら…「したにしたに」(黒木あるじ)
・再会した友人の顔が…「予兆」(我妻俊樹)
──ほか、鷲羽大介、つくね乱蔵、平山夢明による書き下ろし149編を収録。
③『恐怖箱 呪霊不動産』加藤一編著
見えない先住者のいる部屋、住む者を不幸にする家。そうした呪われた物件は確かに実在する。瑕疵物件のみならず、土地に祟りがあれば上物の家や部屋に障りが出るのだ。毎朝、庭に家族全員が佇立する家。原因は家の2階に…「睨み合う家」、夜中に階段を上る足音がする心霊物件。隠された因果は踊り場の下に…「踊り場」、関わる人間がみな左目に異常をきたす古民家。家主だけが無事な理由は…「家主」、着物姿の童子が現れると、翌日必ず悪い事が起きる家。だが意外な対処方法が…「座敷童」他、住んではいけない場所に住んでしまった人たちの戦慄体験、家に纏わる恐怖実話全30話収録!
④『いきもの怪談 呪鳴』戸神重明
命あるものすべてに霊魂は宿る──。植物から昆虫、魚類、爬虫類、鳥類、ほ乳類まで生き物たちの不思議で恐ろしい実話を徹底取材。雑草から聞こえる苦悶の声、草を刈ると事件が…「哭く雑草」、土座衛門から子供を守ったリュウグウノツカイ…「午後の漂流」、山で行方不明になった猟犬が夢で飼い主に場所を知らせる…「犬探し」、人語を使って人をおびき寄せる羆…「名前を呼ぶモノ」、イタチの狩りを目撃すると人が死ぬ…「イタチの狩り」、出張先で鬼女から救ってくれた猫の霊…「麦」、捨てたアカミミガメの呪い…「野良亀」、ハシブトカラスを操る男の恐ろしき正体…「鴉の王」ほか、34話収録。
⑤『村怪談 現代実話異録』加藤一編著
日本の中の異界、村。独自の文化を持ち、様々な掟と共に生きる閉鎖社会の恐怖譚を聞き集めた現代の実話怪奇録。山梨の山中で迷い込んだ廃村。脱出するにはある問答に答える必要が…「四人集落」、土葬の風習が残る村。棺に蓋をせずに故人と一夜過ごすと死者と話せるというが…「言うことなし」、小倉南区にかつてあった集落では正月に餅を食べてはならない。禁を破ると…「カプグラ」、初子が誕生したら家の年長者を山の縦穴に放り込んできた青森の村。山神への生贄だと言うが真実は…「山神穴」、四国のとある村。真新しい公民館が建つ土地には禍々しき因縁が…「生焼け」——他、日本の闇に迫る最恐25話。
⑥『実話奇聞 怪談骸ヶ辻』服部義史
一歩間違えば奈落。目に見えぬ運命の岐路、生死を分ける辻の如き場所や瞬間がこの世には張り巡らされているのかもしれない。夜道で何者かに浚われ見知らぬ家の床下に放り込まれた少年。何とか逃げ出し帰宅するも、後日気になって家を探してみると怖ろしいことが…「神隠しの正体」、実の姪に邪な愛情を抱いていた叔父。叔父の死後、彼女の周りに漂う濃密な気配と襲い掛かる不幸…「叔父と彼女」、石炭事業で富豪となった名取家。のちに没落し借金取りから逃げる生活となるも、名取家を怨んで自殺した男の血を吸った屋敷の表札がどこからともなく現れて…「名取家」、他、生と死、日常と異界、幸と不幸の境界線を見つめるキワどくも不気味な実録恐怖譚!
⑦『怪談社 THE BEST 鬼の章』伊計翼
心霊TV番組「怪談のシーハナ聞かせてよ。」「怪談好きが集まるBAR REQIEM」のレギュラーや怪談ライブ、YouTubeなどでも活躍中の怪談師・糸柳寿昭と上間月貴。彼らが所属する怪談社の人気既刊本<十干>シリーズより、自ら厳選した怪談に大幅加筆したベスト版最終巻。中学生の友達の額をふざけて指で突いたらその指がズボリと…「指先の脳」、買い物から買ってきたら家の敷地から見知らぬ少女が飛び出してきて…「便利屋がいた話」、心霊スポットに入り込み、紙垂がかかった扉の鍵を開けたのだが…「廃校の怪談」——など、書き下ろし新作30話を含めた57話を収録。怪談に塗れて溺れろ!
⑧『暗獄怪談 憑かれた話』鷲羽大介
あれはいったいなんだったのか──思いもよらぬ不可思議なことは、突然身に降りかかってくるのだ! 黒木あるじ氏推薦のもと登場した気鋭の怪談作家が紡ぐ怪異譚の数々。婚約者の両親に見せられたのは自分そっくりの顔をした誰かの写真「永遠の魔女」、幼少の家の玄関には生首がぶら下がっていて、それは…「僕だけの生首」、ナビの案内でたどり着いた場所は…「早く来てよ」、今もなお進行中の怪異、友人の家で皆が見る悪夢の行方…「リアルタイム」──など怒涛の80話を収録。恐怖に囚われ、暗い監獄の奥へといざなわれ…。
⑨『恐怖箱 厭満』つくね乱蔵
一家四人が首吊り自殺した忌み家。お稲荷様の祟りともっぱらの噂だが、そこに新たな住人が…「サイレン」、とある神社に髪の毛で結わえられた無数の絵馬。内容は全て謝罪文で…「こうたさま」、孫の初節句の写真に変な男が写っていると訴えた直後に吐血死した祖母。母親には何も見えないのだが…「七五三の写真」、豪商の家の養女になった貧家の娘。彼女が新しい家の天井裏で見た恐ろしい光景…「赤い部屋の理恵」、三歳の娘に好奇心で尋ねた胎内記憶。すると娘の口調ががらりと変わって…「墓地」ほか、家族円満ならぬ禍族厭満な実話がぎっしり。さて、いま貴方の隣にいる人の笑顔は本物ですか?
⑩『萬屋怪談録 彼岸村』緑川聖司
児童向け怪談小説で人気を誇る緑川聖司が聴き溜めていた本物の怪異の数々を、じんわり怖い筆致で書き綴った実話怪談集。占い師のもとに持ち込まれた1枚の写真に写る奇妙な男「心霊相談」、虐めでケガをした少女の願い「折り鶴」、心霊スポットに行くと嬉々とする少女の顛末を綴る三作「笑顔」「あれはあかん」「ひっぱられる」、部屋の外が騒がしい、また何か起きたようだ…「事故物件ではない」、部屋で見ていた心霊番組の画面に突然割り込んできた映像「記憶にない光景」、その村では男の人が早死にするんです──西日本にあるという村の哀しい謂れ「彼岸村」など59話収録。
【2024年】「人気声優・井澤詩織のあなたを沼らせる怪談10選」
①『厭談 祟ノ怪』夜馬裕
厭な話をさせたら圧巻の迫力! メディアや怪談ライブなどで大活躍中の怪談師・夜馬裕が鮮烈に単著デビュー! 土砂にまみれた奇妙な一室の衝撃の由来とは!? 最凶最悪の事故物件奇譚…「ばんもんの部屋」、神隠しの如く人を呑み込む山に命を狙われ幾重もの恐怖が襲い掛かる…「マレビトの塚」、幼い頃に出遭った怪異が今も闇夜の向こうから自身を探し続ける…「もういいかい」、屋敷に伝わる奇怪な風習の裏に隠されていた驚くべき秘密とは…「蔵守りの儀」──など21篇を収録。鬱々とした最悪の後味を残す厭怪談の妙味に震えが止まらない!!
②『障ル話』鈴木誠、鷹鷺狸夜
恨みや呪い、黒い願望、唱えてはいけない言葉、やってはいけない行動──ある一定の条件が発動した時、怪異は巻き起こるのか。
・最初は虫から始まった奇妙な出来事、それはなぜ?「メメント・モリ」
・旧家の床下で見つけたモノに込められていたのは?「畳の下には」(鈴木誠)
・名前が嫌で改名をしたら、身に降りかかる悲劇「キラキラネーム」
・祖母に教わったとある呪文、唱えてはいけないのに…「死神の家系図」(鷹鷺狸夜)など。
また、煙鳥、いわお☆カイキスキー、たっくーが特別ゲストとしてそれぞれ障ル怪談を寄稿。この本を手にした者へ、障リ有れ!
③『現代雨月物語 式神異談』籠三蔵
死霊、怨霊、生霊、あやかし…得体の知れぬ怪異の中から「不吉なもの」を中心に収録した実話異談集。福島の港町に出る黒い四つ足の化け物。巡回中に石を投げつけた自衛官はとり憑かれ、命をつけ狙われ始める…「野狗子」、病棟に出るうさぎの靴下を握った女の子。遊ぼうと声をかけられた入院患者が次々と亡くなり…「うさぎの靴下」、秩父三峯神社の昇殿祈祷で脳裏に浮かんだ白い仔狼。ご眷属拝借では家に帰るまで振り返ってはならない決まりだが、後をついてくる気配に振り返ると…「戦う力」、怪談イベントで心霊スポットの映像を目にした夜に見た悪夢。目覚めると黒焦げの男と烏帽子に狩衣姿の男性が部屋にいて…「狩衣」ほか、現代の百鬼夜行全28話!
④ 『人形の怖い話』黒木あるじほか
市松人形、ビスクドール、ロボットやミルク飲み人形──誰もが手に取ったことのある様々なお人形。可愛いはずなのにいつしか怖い存在に──そんな人形に纏わる怪異を詰め込んだテーマ怪談の決定版。同僚の自宅で嫁と紹介されたのは…「ウチの嫁」(西浦和也)、仕事で滞在した村で親しくなった老婆、毎年人形を送ってくれと連絡がくるのは何故「ひとくい」(黒木あるじ)、その人形を思い浮かべると腹が立って虐めたくなり…「イライラする」(田辺青蛙)、級友から押し付けられた人形。最初は怖かったが愛着も湧き、可愛がっていたのがある日突然…「貰ってきたお人形」(川奈まり子)──など、書下ろしと過去の最恐作品を選りすぐって全40話を収録。
⑤『実話凶忌録 腐屍の書』伊隅桂馬
遭難者の捜索で入った山中で遺体は見つかった。しかしそれは奇妙な状態で…「山姫」、バイト先の店先で起きた悲惨な事故、それは連鎖し…「哄笑」、旧友がくれた小銭、そこに隠された暗い意図とは…「小遣い」、家にあった井戸を埋めてから家族が一人ずつ死んでいく。掘りなおそうとするのだが…「手遅れ」、子供の頃から聞こえていた<ご先祖様>の声の通りに生きていたという男が最後に聞いた命令とは…「舌禍」など42話収録。死の連鎖が絡みつく強烈な怪異とおぞましき死者からのメッセージの数々! 新たな書き手が取材し書き溜めた恐怖の実話怪談を、今ここにまとめ上げる!
⑥『妖怪談 現代実話異録』加藤一編著
幽霊はあくまで元人間。怨みや憎しみといった感情も、人の言葉も理解ができる。だが、異形の世界は違う。人の<理>は通じない──その恐ろしさたるや……。飛行機に乗り合わせた天狗のような男。乱気流が起こると団扇を取り出して…「高度一万メートルの邂逅」、財布をすられた祖父が頼った姪。姪は蝦蟇を呼びその肝を…「籠蛙力行」、温泉街で見かけた木乃伊館。その夜、失踪した夫は意外な場所に…「木乃伊館」、村の裏山に棲む危険な神。見た者は目を喰われると言われるが…「遭神」、父が東南アジアから連れ帰った猿の神。昼は木彫りの像だが…「外来種」、山の廃屋からまろび出て里に来る妖・血鞠とは…「ちまりの話」、人を刺した箸から芽吹いた楠に宿る妖獣…「しいらくさん」、ある家が祀る独自の神、〈海ンカミサン〉。強すぎるその力とは…「ゥフゥヌンヮヌゥーノッ」他、異形たちが跋扈する33話!
⑦『絶厭怪談 深い闇の底から』つくね乱蔵
この世の理から完全に外れてしまっている不幸の数々…厭怪談の妙手・つくね乱蔵の「絶厭怪談」シリーズが始動!
・妹が連れてきたのは驚くほど丁寧に作り込まれた赤ん坊の人形で…「新しい家族」
・妻子を失う不幸に襲われた夫、それでも幸せだと言う理由は…「石田家の幸福」
・義母への対抗心から始めたお盆の段取りは何かが間違っていたようで…「完璧なお供え」
・入ってはいけないと強く感じたにも拘らず侵入した結果が招く恐怖…「結果待ちの話」
・生活の全てに罪の可能性があると言う娘を襲った悲劇…表題作「深い闇の底から」
ほか全30話。何が起こっても落ち着いて対処するか、或いは静かに諦めるか…明日の絶望がここにある。
⑧『屋敷怪談』影絵草子
建物の仕事に携わる著者が長年かけて聞き集めた「家と家系」に纏わる怪異談。
・家を渡り歩き、住人の記憶を操作する謎の人…「あがたさん」
・押入れに棲むもう一人の母と呼ぶ何か…「母のぬけがら」
・死にたい人だけが見つけられる遺書の家…「たがねさんち」
・旧家の厠に棲み3回だけ質問に答えてくれる神…「厠坊主」
・家に仮の弟が出現し預言を行う日…「まくれる」
・成人前の一族を住まわせる度胸試しの家…「護神の御座す処」
・福の神を見つけたら袋叩きにしなければならない家の掟…「福の神を殺す話」
・お母様と呼ぶ墓石を仏間に祀る家。墓に入っているのは…「墓になった実家」
・家の中に突如現れる真っ白な異空間の正体は…「百足部屋」
・家長の魂を代々移し替える家…「影の座」
・どこからともなく砂が湧き、家も人も砂に埋もれていく家…「砂かぶりの家」
・お盆の時だけ家の中で子供が消えてしまう家…「迷い盆」
他、奇妙で空恐ろしい魅惑の64家の怪!
⑨『令和怪談集 恐の胎動』クダマツヒロシ
新世代最恐怪談 ここに登場!
彗星のごとく現れた新世代が刻む腸(はらわた)が軋む恐怖!
・旅の途中で立ち寄った小さな寺での凄惨な体験「御厨子開帳」
・深夜残業中、タバコを吸おうと喫煙室入ろうとすると…「整列!」
・オフィスの椅子が座るたびに妙な音を立てる。そのおぞましい理由とは「豚の椅子」
・久しぶりに会う古い友人が連れていた女の奇妙な行動は…「モルダー先輩」
・親友の住む新しいマンションを訪ねたが、部屋の隅に妙なものを見つけて…「恐の胎動」
──など31話収録。
怪談家ぁみも絶賛、〈怪談マンスリーコンテスト〉にて平山賞・黒木賞のダブル受賞に輝いた書き手が研ぎすました筆を大胆に振るう!
⑩『魂消怪談 怪ノ目』冨士玉目
目を凝らせばそこここに浮かび上がるのは、夥しい怪異と救われない恐怖──冨士玉目の目にはなにが見えているのか。
・廊下に充満した悪臭の原因…母子による絶望のメッセージの行方「会議で言いたかったこと」
・夜中に突然、娘の口から発せられるしわがれた男の声「縁もゆかりもない」
・山が啼くという奇妙な言葉の驚愕の真実「アがなく」
・叔父が描いた絵に隠された忌むべき秘密「女神の絵」
・いつも旨いお茶を入れる事務所の子の様子がおかしい、やがて知る不可解な出来事「茶の味」など。
人気シリーズ「怪談四十九夜」の掲載作の再録とともに書下ろしを加えた48話を収録。
【2025年】「人気声優・井澤詩織の恐怖に恋する魔性の怪談10選」
①『怪談怖気帳 屍人坂』黒木あるじ
「ご自身や家族の不思議な体験を聞かせてもらえませんか?」黒木あるじは怪談語りの催事の場で客たちに訊いてみた。すると、リアルに語られるのは底知れぬ不気味さを孕んだ怪異ばかり。
・幽霊の出没が噂される場所で出会ったのは…「みえてますよね」
・遊んでいた人形が歩きだし…「おまえのせいで」、夜遅くに車で帰る道、電話ボックスにいたモノが…「あしあと」
・冬の夜の道、近所に住む男性と出会い…「屍人坂」
・橋から川に人が飛び込んだ!通報が頻発するわけとは…「月命日」
──など、聞くも怖気、語るも怖気な75話。怪談はこうやって生み出されていくのか!あなたも体験者となる!
②『怪奇異聞帖 地獄ねぐら』神沼三平太
人柱の家、廃墟の座敷牢、全室事故物件のアパート…禍々しさが炸裂する最凶怪談! この世の悍ましきもの、忌まわしきものを限界まで煮詰めた地獄の怪談集。
・顧客の家に突如飾られた油絵。左耳を手で覆う少女の絵だが、以降住人の耳に異変が…「玄関先」
・秘密の地下室があると聞いて忍び込んだ廃墟。隠し階段の奥にあった座敷牢と謎の水場は…「廃墟の地下室」
・民俗学の調査を兼ねて訪れた祖父母の家。妙に冷える畳が気になって調べると裏にびっしりお札が…「お札の部屋」
・建築作業中に発見された古墳。副葬品の勾玉を盗んだ作業員の行く末…「黒汁」
・怪我人が続出する古民家の解体。開かずの間の大黒柱の下には注連縄と骨が…「贄の柱」
他、抗えぬ負の魔力に酔いしれたし。
③『病院の怖い話』黒木あるじほか
「病院」に纏わる傑作怪談集!
「あっ、これは死に顔なんだ。どの表情で絶命するか、最期の顔を見せているんだ」
絶叫、号泣、憤怒、困惑、苦悶… 入院患者の百面相ルーレット
収録作「ルーレット」黒木あるじより
病院には怖い話が多い。生と死が隣接する場所ならではの、人智
を超えた何かが潜んでいるからか──
・危篤状態から持ち直した患者の奇妙な変化「今際の際にて」(渡井 亘)
・あの人そろそろだね、ベテラン看護師が言うと…「スリーアウト!」(Dr.マキダシ)
・患者の白目を視診したときに覚えた違和感「百パーセント」(神 薫)
・脳梗塞を発症し入院している高齢女性の奇妙な行動と驚愕の真相「左側のミチル」(雨宮淳司)
・学生時代に世話になったと新人看護師から言われたが…「チョイ借り」(小田イ輔)
・父の跡を継いだ病院で起きた患者のクレーム、その原因は…「人柄と腕前」(黒木あるじ)
──など、書き下ろし24編を含む選りすぐりの最恐作の数々
④『たらちね怪談』郷内心瞳ほか
「最愛」にして「最恐」。母に纏わる怖ろしい話、不思議な話。追憶の怪異蒐集録! 母より優しきものはなし、恐ろしきものもまたなし。世に賢母あれば毒母あり。すべてが母の胎から生まれるように、怪もまた母より生まれいづる。
・母の愛を求め想像の世界で生み出した理想の母。いつしかそれに魂が…「三母の似 創母」(郷内心瞳)
・一枚の心霊写真から紐解かれる母と家の怪…「出窓」(川奈まり子)
・父の暴力から物置で一生を終えた母の遺志…「夫婦水いらず」(つくね乱蔵)
・怪と縁の深い女性が占い師に告げられた自身と母と運命…「糾える」(久田樹生)
・人生のハレの日に現れ踊る裸婦。その正体は死んだ母?…「狂女乱舞」(蛙坂須美)
・彼女の隣に立つ首吊り自殺で死んだ母の霊。彼氏にしか見えないその意味は…「帰り道」(内藤駆)
・龍を見ることができた母。さがそれは凶事の先触れ…「天を駆ける龍」(服部義史)
・子を殺された母猿の怨念が本懐を果たすまで…「母猿」ひびきはじめ
他、怪談作家20名が競筆、母に纏わる追憶の怪異談集。
⑤『恐怖箱 禍言百物語』加藤一ほか
奇々怪々の取材記録たっぷり100話!
「幽霊なんて信じていない」
…でも、いる。少年が座っている。
「前席の中年、後席の少年」より押し入れのびしょ濡れ老婆箱から聞こえる恨み言不孝を呼ぶ禁断の建築…本物の怪が現れる現代の百物語!「恐怖箱」のお馴染み怪談蒐集家4人がこの世の闇を浚う。
代々「控えよ」と言い含められている社で犯した粗相、その天罰は?…「代価は高く」(加藤 一)
ちょうだいと繰り返す彼女が欲したのは身体か、命か。言えばもらえるとでも思ったか…「ちょうだい」(神沼三平太)
ライブの打ち上げ、皆で差し入れのケーキを口にした途端、場の空気は一変し…「yes,but」(高野 真)
猟の途中、野宿での睡眠時に目にした足のようなものは大凡人間のものには見えなくて…「忠告」(ねこや堂)
など、何気ない日常に禍を招く恐怖の連続、体験者の実在する怒涛の怪奇譚100話!
⑥『怪談罪人録』糸柳寿昭
その怪は因果応報──。コンプラ崩壊、悪魔の宴、全員が罪人。怪談師が取材した《罪人たち》の怪奇譚! 善悪の境界が崩壊した現代に発生する様々な怪奇事件。自分が正しいと信じている人々に降りかかる怪異は果たして不運なだけの凶事か、それとも……。
・虫を殺すのをやめられない男が夢で受けた警告…「継続の罪」
・不倫相手と寝ていると聞こえるうめき声の正体…「恋の罪」
・赤ん坊が店に来ると怯えるコンビニ店長の狂気と真相…「妄想の罪」
・地上げ屋の男に告げられた死の予言…「運命の罪」
・殺人事件の片棒を担がされた女の枕元に立つ霊…「共犯の罪」
・窃盗の犯人とその心の内まで言い当てる声…「青い罪」
・隣でお昼寝する園児に悪魔の如き囁きを繰り返す子どもとその母の恐ろしき連話…「邪悪な罪」
他、糸柳寿昭が取材した醜くも美しい恐怖、62例の罪と怪!
⑦『学校の怖い話』黒木あるじほか
「学校」にまつわる超厳選怪談集!
「女子生徒が教室で突然悲鳴を張り上げた
机のなかから誰かは覗いている!」
──「棲みつかれる」郷内心瞳より怪談に初めて触れたのは学校だという人は多いのではないだろうか。学び舎に蠢くあちら側のモノたちは幼いころからずっと身近なものだったに違いない──。
・授業参観の時に、ある生徒の横に立つ恐ろしい人影「母が来る」(つくね乱蔵)
・高校生時代の日記帳に記された奇妙な記述を読んで蘇る悍ましい記憶「筆まめ」(郷内心瞳)
・音楽室に飾られた作曲家たちの中にある不可思議な肖像画「すぶつぉめ」(黒木あるじ)
・保健室には出ると言われ、たまに妙な歌が聞こえてくると噂があり…「保健室」(神沼三平太)
──など、6人の作家による書き下ろし26編を含む選りすぐりの怖い話全55話を収録。
⑧『ヒト怖イ話 墜ちる首』播磨龍次
怪異と狂気は紙一重なのか──心霊とサイコの狭間の奇妙な話を新進気鋭の播磨龍次が切れ味鋭く描き出す。
・駐車場にいたラジオを手にした奇妙な男。翌日同級生が行方不明になり…「ラジオと大男」
・離婚した男性が憂さを晴らしに行った夜の店で、妻そっくりのキャバ嬢に声をかけられ…「同級生だよ」
・人形遊びをしている幼い姪が奇妙なことを口走る「右にいる人」
・彼氏の家に初めて行った日、たまたま見つけたノートには幼い頃の自分の文字が…「なくした日記」
──など50話収録。薄暗い影を纏う隣人に付け込まれませぬよう。
⑨『血反吐怪談』つくね乱蔵
現在進行形の厭ナ話、絶望まみれの恐怖譚39話!
「何故、肉片が動くのだ。」
今も肉片は新鮮なままで現れる。いっそ、食べてしまおうか─
収録作「新鮮」より決してスッキリとは終わらない〈厭〉がいつまでも後を引く…。
家族二人ずつで居間に出入りするという奇妙な日常生活、その理由とは…「村越家のルール」
移住した古民家の屋根裏にある謎の引き戸は…「猿専用」
回収しても何度もゴミ集積所に現れるフランス人形はかなりヤバい代物で…「ギロチン人形」
正式な手続きを踏まずに神像の身を削り取ってお守りを作ってしまった結末は…「聖域」
自慢の娘の衣服にある時から血痕が付くようになり…「血の娘」
ほか、血反吐を吐くほどの救いようのない絶望が次々と襲う最凶怪談全39話を収録!
⑩『猛毒怪談』影絵草子、三好一平
殿が堂々完成した。ひたすら怖い、ひたすら危険な話ばかりを集めたアクの強い怪談集。猛毒ゆえに中毒性の高い最凶若手タッグが登場! 混ぜるな危険!! 最恐若手タッグによる中毒性の高いヤバい話。毒×毒、人×霊、呪×祟、超刺激的な競演が誕生! 脳髄まで蝕む毒の甘い余韻を最期まで楽しむ…。
遺品整理の現場で目にした家中を移動する影は…「影のまま生き続ける」
制作過程で魂が入ってしまった人形はホルマリンの瓶に漬けられており…「人形剥製師の告白」
カッパ池の祠で子供たちが体験した衝撃怪異…「神に堕ちる」
身体の一部の柄が描かれた不思議なトランプの記憶とは…「ババヌキ」
人の死期がわかるというある駅清掃員の日常…「巣立ちの時」
30年に一人必ず会社の神に捧げられてきたという生贄、おまえはたぶんその後任だ…「苦肉の策」
ほか、体験者の実在するひたすら怖い話全47話! 読めば「毒」の虜と化す!
まとめ
以上、怪談好き声優・井澤詩織がおすすめする竹書房怪談文庫の作品40冊の紹介でした。熱心な怪談マニアの方にも、何から読めばわからない怪談初心者の方にも、ぜひ参考にしていただければと思います。